私たちは、コミュニケーション能力やチームワーク能力など、対人関係を開始し、維持するためのスキルを測定するテスト方法に関する研究を行っています。
これまで私たちの部門では、映像を使った対人読解力テストの開発、コンピュータ・グラフィックス(CG)を用いたチームワーク能力の測定、潜在連合テスト(IAT:Implicit Association Test)によるシャイネス(恥ずかしがりの程度)や自尊心の測定を試みてきました。これらのテスト法に共通するには、テストを受ける当人に、何の能力を測定されているのか意識させない工夫を施している点です。つまり、テストを受ける人に紙と鉛筆を与えて尺度上に回答させるという伝統的な手法からの脱却です。
また、私達の部門では、OECDが実施している国際成人力調査(PIAAC)の測定内容とその手法に注目しています。チームワーク能力の測定を試みているのもその一環です。チームワーク能力については、単に測定するだけでなく、この能力の向上や発展を促すトレーニング・プログラムの開発も行っています。さらに、「デジタル時代の子どもの動機づけ」というテーマにも取り組んでいます。
これらの成果を、CRETから皆様へお届けします。ご期待ください。
人間関係を開始し維持する能力、コミュニケーション能力、チームワーク能力、キャリア形成能力などを測定するテスト方法の開発、テスト問題のデータベース化および測定に関する基礎研究を行います。また、子ども達の発達段階や能力を考慮したソーシャルスキルの測定の開発をめざしています。さらに、測定結果を踏まえたうえで、それぞれの能力をさらに向上、発展させるトレーニング・プログラムや教育プログラムを提案していきます。
2022/09/17
日本グループ・ダイナミックス学会第68回大会 発表報告
「オンライン面接において受験者・面接官が重視する点の違い」
2022年9月17日から18日にかけて,日本グループ・ダイナミックス学会第68回大会がオンラインにて開催されました。2020年から始まったコロナ禍は多少の落ち着きを見せてきたように思いますが,今もなおオンラインでの学会大会が多く行われています。この大会は昨年度に引き続き,本年度もオンラインで開催されました。 私は,昨年度から澤海研究員,澄川研究員とともに「オンライン面接におけるスキル改善」に...
2022/09/14
日本社会心理学会第63回大会 発表報告
「日本人大学生が苦手とする対人場面の検討―計量テキスト分析を通じて―」
京都橘大学にて,2022年9月14日から15日にかけて開催された日本社会心理学会第63回大会に参加して研究発表を行ってまいりました。2020年度から新型コロナウイルスが本格的に蔓延してきて,そこから顔と顔を合わせての学会参加はありませんでした。数年ぶりに旧友たちと対面することができて,オンライン学会では経験できないような熱気を味わうことができました。オンラインでの開催は遠くにいても参加できたり,オンデマンド...
2016/08/08
第11回KG-RCSPセミナー 参加報告
~日韓IATの試み: 二国間比較実験から~
兵庫県西宮市の関西学院大学にて、2016年8月8日に開催された第11回KG-RCSPセミナー「日韓IATの試み: 二国間比較実験から」(講演者: 小林哲郎氏)に参加しました。 CRET相川研の藤井班では、潜在連合テスト(Implicit Association Test: IAT)という測定法を用いて研究を続けています。本セミナーの題目にIATという言葉が入っていたことや、二国間の比較という内容にも興味が湧き、参加を決めました。 ...
2011/09/18
日本社会心理学会第52回大会 参加報告
~口頭発表15「電子ネットワーキング」に参加して~
2011年9月18~19日、名古屋大学で開催された日本社会心理学会第52回大会において、 チームワーク能力尺度の妥当性とチームの構造理解に関する口頭発表 を行いました。また、本研究と同様に、電子ネットワーク上での調査回答をテーマにしたセッションに参加しました。 「電子ネットワーキング」のセッションでは、PCはもちろんのこと、スマートフォンなどの携帯端末も媒体にしたインターネット上での調査研究に関する報告が...
2021/04/01
近い将来、入学試験はなくなる?
相川 充 元・CRET理事/元・筑波大学教授/東京学芸大学名誉教授 「教育評価についての展望,可能性について何か書くように」と,理事長から言っていただきました。「教育評価」には,子ども達についての成績評価や,子ども達による授業評価などが含まれますが,私は「教育評価」と聞くと入学試験を思い浮かべてしまいます。私が全ての入学試験に失敗しているからかも知れません。高校入試,大学入試,大...
2012/12/19
恥ずかしがりの程度を測る
CRET理事 相川 充 異性と話したり大勢の人の前で発表したりするとき、とても恥ずかしがる人とそうでもない人がいます。何が違うのでしょうか。 それぞれの人の特徴をはっきりさせるためには、人それぞれの恥ずかしがりの程度を測る必要がある。私はそう思って、「私は内気である」とか「私は引っ込み思案である」というような文章を16個用意して、回答者に各文章がどの程度、自分にあてはまる...