CRETの学会レポート Colomn

CRETから、最新の教育・テストに関する学会レポートをお届けします。

リベラルアーツカフェ in サイエンスアゴラ2010参加レポート
ココロはこうして数字になる ~統計学が見る世界~

  「サイエンスアゴラ」とは、様々な人が科学を楽しみ、考え、共有することを目的として科学技術振興機構が毎年開催しているイベントです。2010年度は東京・お台場の国際研究交流大学村で11月19~21日に開催されました。その中の「リベラルアーツカフェ」という企画で、「ココロはこうして数字になる~統計学が見る世界~」というテーマで話題提供をし、学校の先生や研究者、会社員といった一般参加者の方々と対話する機会をいただきました。「リベラルアーツカフェ」は専門家と市民の対話と共有の場をテーマに、有志の方々が静岡で定期的に行っている企画です。今回はサイエンスアゴラのプログラムの一つとして11月20日に「出張」開催され、1時間半のセッションに約25名の方が参加しました。

  セッションでは、大まかに分けて「1. 統計学とは何か?」「2. 統計的に考えてみる」「3. テストの話」の3つのトピックを取り上げました。
「1. 統計学とは何か?」では、「統計学」という言葉の語源や統計学の歴史を概観し、身近なところでいかに多くの統計的方法が使われているかということを例を挙げて説明しました。
「2. 統計的に考えてみる」では、テレビ番組で実際に放映された事例と統計のテキスト等によく出てくる事例を取り上げて、与えられた情報を統計的に検討してみたらどうなるかということを実演しました。具体的な事例に基づいて、サンプル数と推定精度、統計的意思決定、事後確率の計算などの考え方を解説しました。
「3. テストの話」では、統計学が使われている応用分野としてテスト理論について考えました。テストのスコアをどう解釈すべきか、テストの要件としての信頼性と妥当性、テスト開発の実際といった話題を提供しました。

  今回のセッションでは「クリッカー」という投票システムを使用して、参加者に質問をして集計結果をリアルタイムに表示し、それを受けて対話を進めるという形式を取りました。参加者のみなさんも積極的に自分の経験や考えを語ってくださり、「当選確率1/100のくじを100回やったら当たる確率は・・・1/100ですか?」「条件付き確率って何ですか?」「思考力を測るテストではどのような問題が出るのですか?」など質問も次々と出て盛況となりました。統計的な考え方やテストに関する話について、それまで持っていた漠然とした認識との差を感じてもらうのが全体を通じての意図でしたが、そのためのよい機会となったのではないかと思います。また、有志スタッフの方々は大変熱心で、企画にかける意気込みを感じました。

 

(CRET協力研究員 加藤 健太郎)

その他研究員 -Other Researcher-

学会レポート

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CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。







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コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。







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