ここでは、ECの調査Skill NeedsとNew Skills for New Jobsについてご報告します。
ヨーロッパでは近年、第一次産業から知識ベースの仕事が急激に増加し、仕事の範囲も国内にとどまらず国際的になっていることから、新しいスキルを必要とする職業の需要が高まっています。面会したECのUnit Lifelong Learning, Contribution to the Lisbon process所属の研究者の話では、2006年12月に発表された生涯教育のための8つのキーコンピテンシー*2 を基に、2007年からNew Skillsの需要について調査を進めているそうです。
Cedefop*3 のレポート”Future Skill Needs in Europe(2008)” には、欧州における2015年までの職種需要と必要とされる能力の予測がまとめられています。
Cedefopの資料、Future Skill Needs in Europeのグラフ Qualification requirements by level of qualification (in millions, %),1996-2015, EU-25,Norway and Switzerland は、EU25か国(ブルガリアとルーマニアを除く)にノルウェーとスイス2か国を加えた27カ国において、今後2015年までに求められる能力の質の需要状況を示しています。2006年から2015年に求められる能力の割合は、低い質の能力が26.2%から20.8%に減少し、高い質の能力が25.3%から29.3%に増加することが予測されています。
また、同資料に掲載された別のグラフ Net employment change (in millions),2006-2015, by occupational groups and highest level of qualification, EU-25,Norway and Switzerland を見ると、低スキル労働職種でも中程度以上の質の能力が求められることがわかります。 各国の事情によって違いはあるものの、産業構造の変化に伴う失業を回避するために、スキルを身につけておくことの重要性が示唆されています。
2010年から、Cedefopは2年ごとにスキルの需要だけでなく供給予想もレポートするそうです。また、産業別に求められる能力を示すNew Skills for New Jobsも始まる予定です。今後の動向に注目したいと思います。
*1 Research Centre for Education and the Labour Market, University of Maastricht *2 RECOMMENDATION OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 18 December 2006 on key competences for lifelong learning *3 European Centre for the Development of Vocational Training
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