CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

ゲーム学会「ゲームと教育」研究部会第11回研究会 発表報告
「モンスターペアレントに対応する教員を心理面で支援するゲームの提案」

 2018年3月1日に香川大学林町キャンパスで開催されたゲーム学会「ゲームと教育」研究部会第11回研究会に参加し、「モンスターペアレントに対応する教員を心理面で支援するゲームの提案」の発表を行いました。

 本研究では、モンスターペアレントに悩む教員を励ます方法を学ぶことを目的としたゲーム「本人は意外に」を開発した、というものです。ペープサートとボード、意思表示コマなどを用いたゲームです。

「本人は意外に」のルールは以下です。
(1) ゲームはn人 (5≦n≦10) ずつ班になり行う。
(2) 最初に「教師役」「モンスターペアレント役」を1人ずつ決める。
(3) 「モンスターペアレント役」はクレームカードを1枚引き,そのクレームを即興で演じる。
(4) モンスターペアレント対応に疲れた教師役は,落ち込んだ心理を即興で言う。
(5) 卓上に表向きに撒かれた「励ましカード」から,教師役以外(モンスターペアレント役も含む)のプレイヤーは「同僚役」となり,教師役の人がモンスターペアレントに対応し,落ち込んでいると想定し,自分の信じる最高の「励ます言葉」を1枚,選ぶ。
(6) 同僚役が選んだ「励ましカード」を集めて「教師役」に渡す。
(7) 教師役は渡されたカードからランダムに1枚を示し,もし自分が本当に落ち込んでいたときにその言葉をかけられたら「励まされる(白)」か「落ち込む(黒)」か判定する。また各プレイヤーも,教師役は励まされる(白)か落ち込む(黒)か推定する。
(8) 教師役も同僚役も,オセロのようなコマを用いて,自分の判断をいっせいに示す。
(9) 「教師役が 励まされる/落ち込む と判断」「同僚役の半数(以上)が 良さそう/ダメそう と判断」という,2軸4象限のボード(図5)に札を配置する。
(10) カードは,教師役が「励まされた」と判断したものほど上のほうに配置する。また教師役はその理由を説明する。

質疑応答は、非常に活発に行われました。

「授業中に行うことを想定しているようだが、学生のゲームの取り組み方をどう評価するのか」
「カード枚数はいくつあるのか、どのようなクレーム内容や励ましの言葉を決めたのか」
など、参考になる意見をたくさんいただきました。

今後も、さらにいくつか、モンペ対応の学習に役立つゲームを開発し、実験で検証する予定です。
本研究は、CRETのご協力によって、非常に研究が進みました。この場をお借りして御礼申し上げます。


pdf 「モンスターペアレントに対応する教員を心理面で支援するゲームの提案」 (竹内 俊彦).pdf

竹内 俊彦 -Toshihiko Takeuchi-

CRET連携研究員、駿河台大学 メディア情報学部 准教授

趣味: マンガ、読書、クイズ作成

研究テーマ: マルチメディアを利用したテストや教材の開発

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