CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。
日本グループ・ダイナミックス学会第63回大会 発表報告
~現代におけるシャイネスのイメージ調査 (3)――等質性分析を用いた良否判断の規定因の検討――~
九州大学にて、2016年10月9日から10日にかけて開催された日本グループ・ダイナミックス学会第63回大会に、藤井研究員と参加してきました。
本年度の会場となった九州大学箱崎キャンパスは歴史のあるところで、足を踏み入れた瞬間に感じたのは「自分の出身大学の雰囲気に似ている」ということです。東京大学駒場キャンパス(私が学部生の頃の話で、現在は建物が新しくなっています)と、かなり似ている雰囲気を醸し出しており、決してモダンで近代的な建物とはいえないものの、昔ながらの風景がところどころに残っておりました。発表セッション間の空き時間にキャンパス内を少々散歩していたところ、建物に落書きのような跡などが残っており、昔は学生運動でも行われていたのだろうかと思わせるような歴史も感じられました。残念なことに、2018年までにこのキャンパスは使われなくなり、伊都キャンパスという新しいキャンパスに機能が移転するようです。この跡地がどうなっていくのか、今後目が離せません。
さて、私はCRET相川研として実施した研究(現代におけるシャイネスのイメージ調査 (3)――等質性分析を用いた良否判断の規定因の検討――)を9日に発表しました。ポスター発表を選択し、初日の午後というゴールデンタイムだったので、ポスター会場にはとても多くの研究者がいらっしゃいました。
今回の発表では、現代人がシャイネス(恥ずかしがりの度合い)に対して持つイメージを詳細に分析しました。具体的に、シャイネスに対して「良い」や「悪い」というイメージが生じる要因を明らかにしました。
シャイネスに対してのイメージ研究はこれまでに数件、本邦にて行われています。そこでは、シャイネスに対して「良い/肯定的」または「悪い/否定的」のどちらのイメージを持つかを選択してもらうものです。しかし、シャイネスに対してのイメージ、つまりシャイな人がどのような印象を持たれやすいのかということを考える際、その人のどのような側面に着目して良否判断が行われるのかは、いまだ検討されていません。そこで本研究では、大規模なウェブ調査を行い、10代から60代までの計1448名の調査回答者から得たデータを等質性分析という手法で検討しました。等質性分析というのは、ある単語と共に選択されやすい別の単語を明らかにするというやり方です。下図にその分析結果を載せました。主な結果として、シャイネスに対して悪いイメージを持つと判断する際は、シャイな人の「無責任な」「愚かな」という対人的な嫌われやすさに着目して判断したと考えられます。
聴衆と様々な議論を交わし、日本だけでなく海外ではどうなのかという興味を示してくれた方や、シャイネスではなく他のパーソナリティではどういう結果になるのかといった質問もいただきました。これらは今後の課題としたいと思います。
日本グループ・ダイナミックス学会は、2006年より入会しているので、「すでに10年経ってしまったのだなぁ」と、時の流れの早さを感じさせられました。この約10年で本学会を通じて多くの研究者と知り合うことができ、現地で再会して会話を弾ませるなど、有意義な時間を過ごすことができました。
~現代におけるシャイネスのイメージ調査 (3)――等質性分析を用いた良否判断の規定因の検討――~
(澤海 崇文・藤井 勉・相川 充)
(CRET連携研究員 澤海 崇文)
2022-08-02
加藤 由樹
加藤 尚吾
竹内 俊彦
舘 秀典
稲垣(藤井) 勉
澤海 崇文
北澤 武
若山 昇
外山 美樹
小林 輝美
湯 立
三和 秀平
海沼 亮
澄川 采加
浅山 慧
2021-07-21
赤堀 侃司
加藤 由樹
加藤 尚吾
竹内 俊彦
稲垣(藤井) 勉
澤海 崇文
北澤 武
若山 昇
宇宿 公紀
安西 弥生
外山 美樹
小林 輝美
湯 立
三和 秀平
海沼 亮
澄川 采加
浅山 慧