CRETの海外ウォッチ Foreign

CRETから、最新の教育・テストに関する海外の動向をお届けします。

海外アセスメント動向レポート -キーコンピテンシーについて-



2010年10月8日、フランス・パリのOECD本部を訪問し、OECDが主催するPISAPIAAC,AHELO など国際調査のねらいや今後の計画について、教育局のアンドレアス・シュライヒャー氏*1 はじめ担当者と話しました。ここでは、OECDの国際調査とDeSeCo*2 のキーコンピテンシーとの関係について報告します。

 DeSeCoのキーコンピテンシーは、日本テスト学会第8回大会発表報告にも記載したとおり、1997年から2002年までの歳月をかけて、さまざまな識者の知見を結集させて考案されたものです。経済、政治、社会などいずれの領域にも妥当な能力として、3つのキーコンピテンシーが提案されました。それらは、1.相互作用的に道具を用いる、2.異質な集団で交流する、3.自律的に活動する、の3つです。

 DeSeCo Executive Summary(2005) には、これらのコンピテンシーは、OECDの国際調査の基になるものとして存在する、と書かれています。PISA, PIAAC,AHELOの測定能力が、どのコンピテンシーを基として開発されたのかシュライヒャー氏に確認しました。キーコンピテンシーの1.を基にするのが、PISAの読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーや、PIAACのリテラシーー、ニューメラシー、「問題解決」です。それらに対して、PISA2012の「問題解決」やAHELOのジェネリックスキルの「問題解決」は、3.の範疇として開発される予定です。同じ「問題解決」といっても、PIAACは、インターネットでの情報検索スキルなど操作能力を主に測定するのに対し、PISAやAHELOでは、情報を根拠に判断・意思決定させるような、より高次な能力を測定する、ということのようです。

 2020年までには、現代社会で活躍するのに必要な能力を測定するアセスメントが次々と登場することが予想されますが、測定能力の定義をきちんと見据えて、そのアセスメントの結果を見る目を持っていきたいと思います。

*1 Andreas SchleicherHead of Indicators and Analysis Division, Education Directorate 
*2 THE DEFINITION AND SELECTION OF KEY COMPETENCIES

  
 
(CRET研究員 星 千枝)

星 千枝 -Chie Hoshi-

CRET研究員

趣味: ランニング、テニス、温泉、グルメ

研究テーマ: 教育とテクノロジーを組み合わせて(EdTech)、新しい学びを創出すること。そのひとつとしてGlobal Mathを推進中。

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ASCD学会参加報告

赤堀 侃司

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CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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