CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

The 18th Annual Meeting of the Society for Personality and Social Psychology発表報告
~Relationship between Implicit Association Test (IAT) and two Single-Target IATs, with shyness as an example(潜在連合テスト(IAT)と単一ターゲットIATの関係―シャイネスを例として―)~

アメリカのテキサス州、サンアントニオにて、2017年1月19日から21日にかけて開催されたThe 18th Annual Meeting of the Society for Personality and Social Psychologyに参加しました。

 

サンアントニオは街並みが非常にきれいで、歩いているだけでも幸せな気持ちになれます。そう感じさせる一番大きな理由は、町の中心部を流れている川です。ホテルから学会会場まで徒歩で向かったのですが、川伝いに迷わず行くことができました。その川沿いの道はリバーウォーク(Riverwalk)というルートで観光地としても有名で、川を運行するクルーズが見られたり、多くの飲食店の様子をうかがうことができたりしました。運よく早起きできた日には、川沿いをリバーウォークして散歩し、とても爽やかな朝を迎えることができ、朝の遅い時間までベッドにこもっているよりもその日一日をより充実したものにすることができました。

 

さて、私たちの研究グループは21日の14:00から15:15まで「潜在連合テスト(IAT)と単一ターゲットIATの関係―シャイネスを例として―」という内容でポスター発表をしました。

 

国際会議で発表をしていて特徴的だと思ったのが、非常に多くの研究背景を持つ研究者の方々が発表を聞きに来てくれることです。本研究はIATという手法を使用したものですが、IATを使った経験がなく、あまり詳しくない方々も足を止めて話を聞いてくれることがあり、非常に熱心で建設的なコメントをしてくれるのは、日本国内ではあまり見ない光景だと感じました(日本ではどちらかというと発表内容に詳しい方が聞きに来てくれることが多い印象です)。

 

ポスター発表の具体的な発表内容に関して、恥ずかしさの度合い(シャイネス)を間接的に測定する一つの手法として、我々の研究チームが長い間取り組んできたシャイネスIATというものがあります。IATの構造上の特徴は、相対的な指標であるということです。つまり、自分が他者と比べて、どの程度シャイであるかということを測定しているといえます。この点を詳しく掘り下げるために、2015年度にSingle-Target IAT(ST-IAT)という手法を用いて、”他者”という部分を外したIATを作成し、ST-IATがシャイネスIATとどのように関連するかを検討しました。今回の研究では、元のIATから”自己”という部分を外したST-IATも作成し、実験参加者に合計3種のIAT(従来のシャイネスIAT、自己のみを扱うST-IAT、他者のみを扱うST-IAT)に回答してもらいました。データを分析した結果、はじめに開発していたシャイネスIATから計算されたシャイネス得点は、他の2つの ST-IATのどちらとも十分に関連しているという結果が示され、元来のシャイネスIATの得点算出のメカニズムを明らかにすることができたといえます。

 

ポスター発表時には、日本人だけでなく海外の研究者からも貴重なコメントをいただいたので、今後の研究に応用したいと考えています。例えば、我々はすでに元来のシャイネスIATの1週間間隔や1ヶ月間隔の信頼性(どの程度得点が安定しているか)を検討しているのですが、シングルターゲットIATでも同様に検討する方向性も挙げられます。

 

サンアントニオは非常に快適な環境で過ごしやすく、学会会場で様々なバックグラウンドを持つ研究者と交流することができました。また、アメリカのコーヒーは私の口に合うということもあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。

 

Relationship between Implicit Association Test (IAT) and two Single-Target IATs, with shyness as an example (澤海 崇文・藤井 勉・相川 充)

 

(CRET連携研究員 澤海 崇文)


澤海 崇文 -Takafumi Sawaumi-

CRET連携研究員、流通経済大学 社会学部 助教

趣味: テニスやヨガなどで定期的に体を動かすようにしています。語学学習にも励み、海外旅行も人生の楽しみの一つです。

研究テーマ:対人コミュニケーションやパーソナリティに興味があり、それらの比較文化研究が専門です。

研究発表論文

2016-09-30

教育テスト研究センター年報 第1号 2016年9月

相川 充

赤堀 侃司

柳沢 昌義

加藤 由樹

周村 諭里

加藤 尚吾

竹内 俊彦

舘 秀典

稲垣(藤井) 勉

澤海 崇文

北澤 武

若山 昇

宇宿 公紀

安西 弥生

外山 美樹

湯 立

長峯 聖人

三和 秀平

CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

相川 充

-Atsushi Aikawa-
筑波大学 人間系
博士(心理学)

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コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。

赤堀 侃司

-Kanji Akahori-
東京工業大学 名誉教授

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