CRETのコラム Colomn

CRETから、最新の教育・テストに関する世界の動向などをコラムとしてお届けします。

CBTとPBTを比べて思うこと

教育テスト研究センター 理事長 新井 健一

 

 今年はPISA2012が実施される年です。2012年はPBTがメインで、CBTはオプションですが、この次のPISA2015ではCBTがメインになる予定です。CBTは、採点、集計、分析が効率的になる上、情報を探索したり、音声や動画を活用したりという動的な問題が可能になる一方で、長文の問題ではスクロールしなければならないとか、記述式の問題には対応しにくい等の課題もあり、何を測定するかによって、メリット、デメリットがあるようです。

 

 アセスメントだけでなく、教科書や教材もデジタル化される方向に変化しています。日本では、2020年までに生徒1人に1台の情報端末と、生徒用のデジタル教科書を整備し、21世紀にふさわしい教育を実現しようとして実践が始まっています。また、アジア、欧米などの国々でも、情報端末を活用した計画が、積極的に進められています。

 

 このような計画には、当然高額なコストが発生し、果たしてそれに見合う効果が得られるのかという課題がつきまとうわけですが、高度情報化社会では、デジタルの環境でパフォーマンスを発揮することが求められ、いくら知識があっても、それが発揮できなければ理解していることにならないと考えると、紆余曲折を経ながらも、デジタル技術の教育への導入は、今後も促進されていくのだろうと思います。

 

 しかし、こうした新しい技術の導入には必ずメリット、デメリットがあることを考えなければなりません。例えばモータリゼーションで得たものもあれば失ったものもあると思いますし、紙や印刷技術が普及した時も同じだったのではないかと思います。メリットは享受するとして、未来を生きるこどもたちのためにどのようなデメリットを許し、どのようなデメリットは許さないのか、この見極めをすることが重要で、私たち大人には、そのための想像力と判断力が問われているように思います。(2012.7.17)

新井 健一 -Kenichi Arai-

教育テスト研究センター(CRET) 理事長 / ベネッセ教育総合研究所 理事長

コラム

Reasearch label
2016-04-07

CRET/BERDシンポジウム2016

新井 健一

<< | 1 | 2 | >>

CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







>> 研究室の
詳細はこちら

コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

相川 充

-Atsushi Aikawa-
筑波大学 人間系
博士(心理学)

>> 研究室の
詳細はこちら

コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。

赤堀 侃司

-Kanji Akahori-
東京工業大学 名誉教授

>> 研究室の
詳細はこちら